「アルコールハラスメント」とは、アルコール飲料に絡む嫌がらせ全般を指す言葉です。
アルコール類の摂取の強要など対人関係の問題から、酩酊状態に陥った者が行う各種迷惑行為などの社会的なトラブルを含みます。
「アルハラ」という略語で呼ばれ、日本では、アルハラが原因で死亡者がでたことをきっかけとして1980年代以降に急速に問題視されはじめました。
ここでは、「アルハラ」の意味や定義、解決策、自分自身がアルハラの加害者とならないための注意点をご紹介していきます。
アルコールハラスメントとは
アルコール(お酒)と、ハラスメント(嫌がらせ)を合わせた、和製英語です。
アルハラと略され、飲酒に関連した嫌がらせ行為や迷惑行為を意味します。
会社や学校の上下関係などを利用して、イッキ飲みを強要することや、体質や健康状態を考慮せずに、酔いつぶれるほどに飲酒を勧める行為などが該当します。
また、飲酒により酩酊状態にある者による暴力や暴言なども含まれます。
1980年代から1990年代にかけて、大学の新入生歓迎会や飲み会で、急性アルコール中毒による死亡事故が相次いだことから、一気飲みが問題視され、後にアルコールハラスメントという言葉が使われるようになりました。
アルコールハラスメントの定義
アルコールハラスメントは、パワーハラスメントの一種として捉えられることもあるが、アルコール薬物問題全国市民協会(ASK)では、アルハラを以下の5項目で定義しています。

- 飲酒の強要
- イッキ飲ませ
- 意図的な酔いつぶし
- 飲めない人への配慮を欠くこと
- 酔った上での迷惑行為
アルコールハラスメントの解決策は
飲み会に参加しないこと
できる限り、飲み会に参加しないことで、アルコールに関する不快な思いを回避することができます。
しかし、大学での飲み会や、会社・取引先での飲み会が、人間関係を円滑にしているケースもあります。
その代わりに、参加しない分の人間関係構築のため、普段からのコミュニケーションを心がけるなどが大切になります。
飲酒に対して毅然とした態度で断ること
飲酒を勧められた際に、曖昧に断っていると、深刻さが伝わらず、アルハラが続いてしまう危険性があります。
しつこく勧められ続ける場合には、できる限り毅然とした態度で断りましょう。
その場合には、酒の席が嫌なのではなく、仕方なく飲まないことを理解してもらえるように、以下のような内容を伝えるのが良いでしょう。
車を運転しなければならない
健康上の問題からドクターストップがかかっている
この後の予定がある
アルハラ被害にあってしまった場合には
実際に飲み会の席などで、アルハラにあってしまった場合は、会社内の相談窓口などで相談しましょう。
相談窓口がない場合などには、アルハラを行った上司よりも、上の立場の上司に相談するのが良いです。
会社では行動しにくい場合は、市役所など行政機関の相談窓口や、アルコールに関わる問題を扱うNPO法人、弁護士などの専門家に相談するのも良いかもしれません。
大学生の場合は、学生課や、専門的にトラブルを扱っている窓口があるかもしれませんので、まずは大学の組織体制がどのようになっているのかを確認してください。
アルハラの加害者とならないために
まずはあなたのアルハラ度をチェックしてみましょう。
以下は、イッキ飲み防止連絡協議会「アルハラ度チェック」です。
☑ 練習すればアルコールは強くなれると思う
☑ 吐く人のための袋・バケツ・つぶれ部屋を用意している
☑ 先輩から注がれたら、断っちゃいけない
☑ みんなで酔っぱらってこそ仲間との一体感が生まれる
☑ 飲み会はちょっとぐらい無茶しないと、楽しくならない
☑ ソフトドリンクを飲むなんて、ありえない
☑ 酔ってるんなら、多少の暴力や暴言はしょうがない
☑ 女だったら、お酌をするのが当たり前だ
☑ 未成年者でも、少しぐらいなら飲ませたって平気だ
☑ 場を盛り上げるイッキコールを3つ以上知っている
☑ 体質的に飲めない人なんて、いるわけない
☑ 男だったら飲めないとかっこわるい
いかがでしょうか?
この中で、当てはまるものが多ければ多いほど、あなたは、アルハラをしてしまう可能性が高まってしまいます。
自分自身が楽しめたとしても、その行為が相手にとって迷惑だと受け取られてしまうと、それはハラスメントになります。
こういったアルハラに当たる行為をしてしまう可能性があるなと思う人は、意識して行動するように心がけることで、双方ともに楽しい時間を過ごせますし、アルハラの加害者になることを防ぐことができます。