ハラスメントハラスメントとは、何かにつけて、「それってハラスメントですよね!?」と言いがかりをつけて、相手を不快な気持ちにさせる嫌がらせ行為のことを指します。
新たに作られるハラスメントが増加したこと、ハラスメントという言葉が広く知られるようになってきたからこそ、増加したハラスメントであるといえます。
こちらの記事では、ハラスメントハラスメントの定義と事例、対処法や解決策について解説します。
ハラスメントハラスメントとは?
ハラスメントハラスメントは、近年、新たに知られるようになったハラスメントです。
略称として「ハラ・ハラ」と呼ばれており、2016年に発売された『「ハラ・ハラ社員」が会社を潰す』(野崎大輔/講談社)という、一部の社員がハラスメントを主張して上司を困らせる社員が増加している現状に疑問を投げかけた書籍のタイトルに「ハラ・ハラ」という言葉が使われ、話題になりました。
元々、ハラスメントが増加しているのに伴って、自分の都合の良いように解釈・利用して思い通りにしようとするために「ハラ・ハラ」が増加したのだと考えられます。
しかし、野崎大輔氏が出版したこの書籍が、「ハラ・ハラ」がより広く浸透する一つのきっかけであったことは間違いありません。
ハラスメントハラスメントは、新たなハラスメントが増えれば増えるほど増加していくハラスメントであると考えられるため、今後、深刻な社会問題に発展する可能性も容易に予想されます。
ハラスメントハラスメントの事例
ここでは、ハラスメントハラスメントに該当する事例についてご紹介します。
- 同じミスを何度も繰り返す部下に対して、いつもよりも少し強めに注意したところ、「上司から何度も理不尽に注意されています。パワハラをどうにかしてください。」と人事に相談された
- 子どもの行事で欠席した女性社員に、男性社員が「運動会どうだった?」と聞いたところ、「私生活について聞いてくるなんて、プライバシーの侵害です!」と怒鳴られ、社内の相談窓口で訴えられた
- 肩にごみがついていたので取ろうとしたら、触れる前に「今、触れましたよね!?セクハラですよ!」と周囲に聞こえるような大声でハラスメントをされたと訴えられた
- 飲み会の場で、注文がなかなか決まらない部下に「他にも待ってる人がいるから、早く何を頼むか決めなよ。」と注文を決めるように言うと、「そうやって立場利用して急かすの、パワハラですよ!」と言われた
上記の例はほんの一部ですが、職場でよく起こるハラ・ハラ問題として、上司から注意されたり、いつもよりも強めに叱責された時にパワハラだ!と言ったり、何らかの事情があり、偶然触れてしまったことに対してセクハラだ!と言うことなどが多く見られるようです。
パワハラの詳細はこちらに記載しております。

セクハラの詳細はこちらに記載しております。

もちろん、パワハラやセクハラ以外にも、その他のハラスメントを何かにつけて話題に出して、言いがかりをつけるような行為も、ハラ・ハラに該当します。
また、ハラ・ハラをしてしまう人の特徴としては、他者との協調性がなく、現状が思うようにいかないと我慢ができない人が多い傾向にあります。
こういう人が、自分の思い通りにしようと都合の良いようにハラスメントを利用するために、ハラ・ハラが増加してしまうのだと考えられます。
ハラスメントハラスメントの対処法
ここでは、ハラスメントハラスメントの加害者にならないための対処法についてご紹介します。
むやみにハラスメントだと言わないようにする
何かにつけて、敏感に反応して「それってハラスメントだ!」と言いがかりをつける行為は、ハラ・ハラになります。
そのため、ちょっとしたことがきっかけで、むやみに「ハラスメント」という言葉を出さないように意識することで、加害者になることを防ぐことができます。
ハラスメントに該当する行為をしっかりと知っておく
上記のように、むやみにハラスメントという言葉を出さないようにすることは対処法として有効といえますが、ハラスメントに該当するものに対してはもちろん、ハラスメントだと訴えて良いものになります。
しかし、そのためにはハラスメントに該当する行為をしっかりと知っておくこと、ハラスメントに該当するものとそうでないものと区別することができる状態にしておく必要があります。
それを区別できるようになると、本当にハラスメントに該当する行為のみの場合に訴えることができ、ハラスメント行為をしないように心がけることにも繋がるため、ハラスメントを未然に防止することができるようになります。
ハラスメントハラスメントの解決策
ここでは、ハラスメントハラスメントをなくすための解決策についてご紹介します。
信頼のできる上司や同僚に相談する
ハラスメントハラスメントは、言いがかりをつけてくるハラスメントです。
その行為が過剰になるまでは法的に訴えることは厳しいこともあるため、まずは信頼のできる上司や同僚などに相談することが重要です。
協力してもらうことができれば、対処法や解決策も一緒に考えて対応することができますし、上司や同僚から、その人にそれとなく伝えてもらったり、注意してもらうことによって、現状を改善できる可能性が高くなります。
ハラスメントハラスメントについて周知を図る
ハラスメントハラスメントをなくすためには、まずは社員全員がそのハラスメントの内容を周知することが重要です。
また、事実とは反する内容であると自覚しているにも関わらず、ハラスメントだと決めつけて言いがかりをつけること、それを利用して、会社から慰謝料をもらう等のもらえるものはもらおうという精神でこういった嫌がらせを行う事は、ハラ・ハラに該当する行為であるといえます。
ハラ・ハラ問題をなくすためには、社内体制としてどのように対応していくのかを社員にしっかりと周知すること、防止に努めることが重要です。
ハラスメントハラスメントの記録を取っておく
ハラスメントハラスメントは、ハラスメントには反している内容のことをハラスメントだと言いがかりをつける嫌がらせのことを指します。
そのため、事実無根であっても、本人が一度「ハラスメントを受けた」と訴えてしまうと、その疑いを晴らすことは難しくなります。
他の社員からの証言などにより、無実が証明されれば解決には近付きますが、それが難しい場合は、ハラスメントを受けていた日程や内容を日記やメモなどに記しておくこと、ハラスメントに該当する発言をICレコーダーなどに録音しておくなど、記録に残しておくと証拠として提出できるので、早急に対応してもらいやすくなります。
社内の相談窓口に相談する
上記のような証拠を持って、まずは社内の相談窓口に相談しましょう。
社内でハラスメントが行われているという現状を会社が把握していない場合があるため、その事実を会社に周知することにも繋がります。
また、証拠を持参・提出しているため、早急にハラスメントをなくすための対策を講じたり、ハラスメントを行っている加害者に対して、適切な対処をとってもらいやすくなります。
社外の相談窓口に相談する
社内の相談窓口に相談しても丁寧に対応してもらえなかった場合は、外部の相談窓口に相談するのも一つの手段といえます。
また、弁護士に相談してみるのも一つの手段でもあります。
外部の機関をそれぞれうまく活用することで、ハラ・ハラ問題に対して、会社に適切な対処・対策してもらうように促すことができるので、現状の改善にもつながります。