マヨネーズハラスメントとは、マヨネーズが苦手な人がいるにも関わらず、マヨネーズはみんな好きなものだと決めつけて、心ない言動や行動を行う嫌がらせのことを指します。
今年の9月には、東京芸術大学の戸澤遥さんが「ストップ・マヨハラ党」を立ち上げたことが話題になり、最近では改めてニュースとして取り上げられています。
確かに、マヨネーズは大体の人が好きだと答える人が多いものの、やはり、嫌いな人がいることも事実で、中には卵アレルギーでマヨネーズが食べられない人もいます。
そんな人たちが、マヨネーズは好きなものだという固定概念にとらわれた人によって、悪気なく「なんで食べられないの?」と馬鹿にされたり、「普通、食べられるでしょ」と決めつけられることも少なくないようです。
こちらの記事では、マヨネーズハラスメントの定義と事例、対処法と解決策について解説します。
マヨネーズハラスメントとは?
マヨネーズハラスメントとは、マヨネーズはみんな好きだと決めつけられて心ない言葉を投げかけられたり、勝手に料理にマヨネーズをかけられたりするなどの嫌がらせ行為のことを指します。
マヨネーズは様々な料理に多用されているため、店舗でも当然のようにマヨネーズがかかっていたり、隠し味として使われることもあり、食べてから気付くということも多くあります。
また、嫌いな人が多いと言われるトマトやなすびといった野菜とは違い、マヨネーズを嫌いだと断言している人は圧倒的に少数であるため、他のものと比較すると配慮してもらいにくい調味料であることも事実です。
そういった背景を踏まえ、マヨネーズが苦手である人にも配慮をしてほしいという思いから、東京芸術大学の戸澤遥さんが「ストップ・マヨハラ党」を立ち上げ、マヨネーズハラスメントという言葉を世間に広めていきました。
では、「ストップ・マヨハラ党」について、また、マヨネーズハラスメントについても、もう少し詳しく見ていきましょう。
「ストップ・マヨハラ党」とは?
「ストップ・マヨハラ党」とは、東京芸術大学の戸澤遥さんが立ち上げた政党です。
党首である戸澤遥さんも小さい頃からマヨネーズが苦手で、保育園に通っていたある日、昼食で出てきたゆで野菜にマヨネーズがかかっていて、食べられずに困っていたところ、保育士さんに無理矢理に食べさせられた経験があり、トラウマになるほどの辛い思いをしたそうです。
また、大人になってからも、マヨネーズはみんな好きなものとして固定概念にとらわれている人が多いことから、心ない言葉を投げかけられたり、マヨネーズが使用されていることが食べるまでわからなかったりといった苦労も多々あったそうです。
それを踏まえて、マヨネーズが苦手な人もいること、マヨネーズならではの問題点を知ってもらうためにも、「ストップ・マヨハラ党」を立ち上げました。
それが功を成したのか、マヨネーズハラスメントという言葉が世間に広く知られるようになったのです。
マヨネーズハラスメントの事例
ここでは、マヨネーズハラスメントの事例についてご紹介します。
- 居酒屋で出てきた料理に対して、マヨネーズを断りもなく全部の料理にかける
- 居酒屋で出された料理のほとんどにマヨネーズがかかっていたので食べられずにいると、「お前、好き嫌い多すぎだろ。それでも大人かよ。」と馬鹿にされた
- お好み焼き屋さんに行って、「マヨネーズはかけないでください」とお願いすると、「えっ!かけないんですか!?」と思いも寄らないような顔をされた
- マヨネーズがかかっていて食べられないと言っているのに、「マヨネーズくらいでなんだよ!食べられるだろ!」と食べるように強要された
上記のように、マヨネーズが苦手な人への配慮をせずに、マヨネーズを断りもなく料理にかけたり、マヨネーズが嫌いなことを馬鹿にしたりする嫌がらせ行為のことをいいます。
また、マヨネーズが苦手だと言っているのに、無理矢理食べさせようとする行為は、マヨネーズハラスメントだけでなく、パワハラにも該当しますね。
パワハラの詳細はこちらに記載しております。

実は、マヨハラにはこういった問題もあります
- 飲食店で、メニューを見ている時にはマヨネーズがかかっていることは記載されておらず、写真にも載っていなかったが、マヨネーズがかかった状態で料理が出てきた
- 飲食店で出された料理に、パッと見てマヨネーズが使われている様子がなかったので食べてみると、隠し味として使用されていた
上記のような事例は、嫌がらせをしてやろうとして起こったことではなく、「マヨネーズはみんなが好きであるもの」という固定概念から起こるものだといえます。
マヨネーズが嫌いな人にとっては、料理が出てきた時にマヨネーズがかかっていると落胆しますし、食べてからマヨネーズが使われていることが発覚するなんて、恐怖でしかありませんよね。
こういった問題点も、戸澤遥さんはご紹介してくれていましたから、飲食店においても、改善すべき点があるのかもしれませんね。
マヨネーズハラスメントの対処法
ここでは、マヨネーズハラスメントの加害者にならないための対処法についてご紹介します。
日常における場合
マヨネーズをかける前に、一声かける
注文した料理が届いた際に、すべての料理に勝手にマヨネーズをかけるような行為は人としてもどうかと思いますが、マヨネーズが嫌いな人がいるかどうかを確認せずにかけてしまうのはハラスメントになりうる行為といえます。
そのため、マヨネーズをかけるにしても、かける前に「マヨネーズかけていい?」や「マヨネーズ苦手な人いない?大丈夫?」と先に声かけをしておくと、ハラスメントを防ぐことができます。
また、後でマヨネーズをかけるかどうか調整できる場合には、先に全員に取り分けてから、各自でマヨネーズをかけるなどの配慮をすると、全員が好きな味や食べ方で食べられるので、トラブルを防ぐことができます。
マヨネーズが嫌いなことを責めない
マヨネーズに限らず、嫌いな食べ物に対して、「なんで食べられないの?」や「食べられないなんて子どもだな」といった馬鹿にするような発言をされると、誰しもが不快に感じますよね。
ましてや、アレルギーで食べたくても食べられないのに、「ただ単に好き嫌いだろ」「大人のくせに情けない」と言われると精神的にもダメージが大きいと思います。
また、人を馬鹿にするような発言はトラブルを招く原因になりやすいので、好き嫌いに関して相手を責めるような発言や行動は慎む方がハラスメントを防止することに繋がります。
嫌いなものを無理に食べさせようとしない
嫌いなもの、または、アレルギーなどがあって食べられない人に対して、無理矢理にでも食べさせようとする行為はハラスメントになります。
また、アレルギーで食べられない人に無理矢理に食べさせると、最悪の場合、死に至る可能性もあり、大変危険です。
人の命を守るためにも、トラブルを避けるためにも、自分がされたら嫌だと思う行為を、他の人にはしないようにすることがハラスメントを防止するためには非常に重要です。
飲食店などでの対処法
マヨネーズがかかっている旨をしっかりと明記する
飲食店などのメニューにおいて、アレルギーの成分表示をする店舗は増えてきましたが、マヨネーズは装飾品などとして扱われることも多く、メニューの写真にマヨネーズがかかっていなかったり、料理の中にマヨネーズが使用されていたりといったことも多くあります。
そのため、提供する商品そのままの写真を掲載すること、マヨネーズが使われていることをメニューの下記にでも小さく記載しておくなどの工夫をすることで、ハラスメントだと受け取られることを防ぐことができます。
好きにかけられるように別皿で提供する
マヨネーズを商品にかけてしまうと、食べられない人も出てきてしまうので、後でかけられるものに関しては、お客様の方で調整してかけてもらえるように、別皿で提供するとハラスメントを防ぐことができます。
おしょうゆやソース、コショウ、タバスコなどの調味料は店舗によっては置いているところもありますが、マヨネーズはあまりないのが現状ですよね。
そういった点でも配慮ができると、より良くなるのではないでしょうか。
マヨネーズハラスメントの解決策
ここでは、マヨネーズハラスメントの解決策についてご紹介します。
マヨネーズが苦手だと宣言しておく
マヨネーズが苦手であることをあらかじめ宣言しておくと、マヨネーズがかかっている料理を無理に食べさせられたり、料理にマヨネーズをかけようとしていたとしても、止めてもらえる可能性が高くなります。
また、自分はマヨネーズが苦手だということを他の人に知ってもらっているだけでも精神的に安心しますので、強く出てこられても、「私はマヨネーズは食べられないので」と毅然とした態度で断ることができます。
言われて不快なことは不快だと伝える
マヨネーズが苦手なことを責めたり、心ない言葉を投げかけられて馬鹿にされたり、といった場合には、そのような旨のことを言われると不快に思うことを相手にしっかりと伝えることが重要です。
確実に悪意を持って言っている場合は効果的ではないかもしれませんが、悪気なく発言してしまうことも少なくありません。
その場合には、不快に思っている旨を伝えることで、そういった発言をしないように気を付けてもらえる可能性が高くなります。
信頼のできる人に相談する
上記の2点を伝えても改善しなかった場合には、信頼のできる人に相談して、知恵を貸してもらいましょう。
一人で抱え込むよりも、何人かで考えたら違う解決策が思い浮かぶかもしれませんし、職場での出来事なのであれば、嫌がらせを行った人よりも立場が上の人から注意してもらうことにも繋がるかもしれません。
また、上司に相談しても改善が見られなかった場合は、ハラスメントをされた証拠を持って、社内の相談窓口に相談してみるのも一つの手段といえるでしょう。
最後に
ちなみに、「ストップ・マヨハラ党」というのは、実はパロディーなのだそうです(笑)
『チャーミングに異を唱えよ』というテーマが課された課題を作成する際に、思いついたのがこの「ストップ・マヨハラ党」という政党とのことでした。
選挙にした理由は、パロディーだといえども、実感を伴っている題材でないと本気で異を唱えることはできないと考え、日頃から抱えていた悩みである「マヨネーズが苦手」ということを大真面目に伝えるためだそうです。
学園祭でも、そして、世間でもニュースとして取り上げられるほどのインパクトを与え、世間に広く知られることになるものを作り上げたと考えると、すごいですね。
でも、こういった偏見って何気に多く持たれていて、「スマホを持つなら i Phone だよ、Androidはクソ」「紙媒体よりも電子書籍の方がいいに決まってるでしょ」といった、決めつけるような発言も多いですよね。
あくまでも、趣味嗜好は個人の自由であって、多数決で決まるものでもなければ、決めつけられるようなものでもありませんし、それで差別を受けるなんてもってのほかです。
それをわからずに、差別になるような言動や行動をしてしまわないように、個人の趣味嗜好は尊重する姿勢で対応するように気を付けていきたいものですね。