カラオケハラスメントとは、カラオケが苦手な人に対して、過剰に歌うことを勧めたり、強制的に歌わせたりする嫌がらせ行為のことを指します。
特に、職場の忘年会などで上司が部下に無理矢理歌わせるなどの光景を見かけることがありますが、これもれっきとしたカラハラになります。
その行為が行き過ぎてしまった場合には、パワハラにも該当してしまう場合もあるため、注意したいハラスメントのひとつといえます。
こちらの記事では、カラオケハラスメントの定義や事例、対処法や解決策について解説します。
カラオケハラスメントとは?
カラオケハラスメントとは、カラオケが苦手な人に対して、過剰に歌うことを勧めたり、無理矢理歌わせるといった嫌がらせ行為のことを指します。
カラハラは、アルハラに続いて、職場の飲み会や取引先との接待でよく見られるハラスメントのひとつです。
アルハラの詳細は下記に記載しております。

程度にもよりますが、相手が歌うことを拒否している場合や、嫌がる素振りが見られる場合などに上司という立場を利用して歌うことを無理強いしたり、強制的に歌わせた場合にはパワハラにも該当します。
パワハラの詳細は下記に記載しております。

また、事前に相手がカラオケが苦手だと知っていながら、無理矢理にカラオケに連れて行くという行為もカラハラに該当するため、注意が必要です。
カラオケハラスメントの事例
ここでは、カラオケハラスメントの事例についてご紹介します。
- 「歌うのが下手なので…」と言っている人に対して、「下手でも全然気にしないよ!」「歌って歌って~!」と歌うことを過剰に勧める
- 集団でカラオケに行った際に、歌うのが苦手なので曲を入れるのを避けていたら、「はい、歌いなよ!」といって、マイクや選曲する機械を渡される
- 社内の飲み会で、「人前で歌うのはちょっと…」と断りを入れているのに、「上司命令だ!」といって歌うことを強要される
- 歌うことが苦手だと言っているのに、無理矢理歌うように強要された挙げ句、連続で何曲も歌わされる
- カラオケが苦手だと知っているにも関わらず、お構いなしにカラオケに連れて行って、歌うように強要される
上記のように、やんわりと断りを入れても悪気なく歌うことを過剰に勧めてしまう場合や、上司などの上の立場を利用して歌うことを強要するなどの嫌がらせ行為がカラハラに該当します。
特に、相手が歌うことが苦手だと知っていながら、「さっさと歌えよ!」「相変わらず下手だなぁ」などと相手に歌うことを強要する行為は、パワハラに該当します。
カラオケハラスメントの対処法
ここでは、カラオケハラスメントの加害者にならないための対処法についてご紹介します。
音楽が好きだからといって、カラオケが好きだとは限らない
よく勘違いされる人が多いのが、音楽が好きな人はカラオケが好きだという考えです。
実際、音楽を聞くことは好きでも、自分が歌うことは苦手な人は非常に多いです。
そのため、相手と話している中で、音楽が好きと聞いたから、カラオケに誘ったら喜んでくれるはずだ!と安易に考えるのは大変危険です。
そういった勘違いを避けるためにも、事前にカラオケが苦手でないかどうか確認をとるように心がけると相手に不快感を感じられずに済みますし、ハラスメントを防ぐことができます。
相手が苦手だと言っていたら素直に受け止める
カラオケに行った際によくやってしまいがちなのが、相手が歌うのが下手だという理由で歌うことを断った場合に、「全然大丈夫!」「○○さんの歌声聞きたい!」と歌うことを勧めてしまう場合です。
また、積極的に曲を入れていない人に対して、マイクを渡したり、選曲する機械を差し出したりする行為も、人によっては不快に感じてしまう場合があります。
そのため、相手がやんわりとでも歌うことが苦手だと断りを入れた場合や、嫌がる素振りが見られた場合には、そのままのノリで勧めてしまうのではなく、素直に相手の気持ちを受け止めるように心がけることが重要です。
事前に苦手なことを知っているなら、カラオケは避ける
相手が歌うことが苦手だということを事前に知っている場合には、基本的にはカラオケに誘うことは避けるようにした方がハラスメントを防ぐことができます。
しかし、サークルなどの場や職場などでどうしても避けられない場合には、歌うことが苦手なことを周囲に伝えて、無理に歌わせられそうになったら止めてあげるなどの気遣いをしてあげると、相手に不快感を与えずに済みます。
そういった配慮をした方が、トラブルを事前に防ぐことができるので効果的です。
カラオケハラスメントの解決策
ここでは、カラオケハラスメントをなくすための解決策についてご紹介します。
歌うことが苦手なので歌わないという固い意思を示す
カラハラをしてしまう人の多くは、悪気なく歌うことを勧めてしまう場合が多いです。
よく、「下手なので…」「場の空気を悪くしたらいけないので…」と間接的にやんわりと断ってしまう人が多いですが、やんわりと断ると、悪気なく「全然気にしないよ!」「歌って歌って!」とさらに勧められてしまいます。
そのため、歌うことが苦手であることをしっかりと伝えること、歌わないという固い意思を示すことが重要です。
協力者を作る
カラハラの被害に遭わないためには、協力者を作ることも対策としては効果的です。
一人で断りを入れたとしても、飲み会などのお酒が入っている場では、そのまま強制的に押し切られてしまうことが多くなります。
そのため、協力者に「すみません、その子本当に歌うの苦手なので」「代わりに私が歌いますよ!」というように一緒に断ってくれる人を作ることで、より断りやすくなります。
カラオケに行くことを避ける
カラハラを避けるためには、その原因となりうるカラオケに行くこと自体を避けることが、一番手っ取り早い対策といえます。
そのため、できる限り、カラオケがあることが事前にわかっている場合や、カラオケに行くことが想定される場合には、参加しないようにするとハラスメントを回避できます。
どうしても行かなければならないとなった場合には、上記にご紹介した「しっかりと断る」「協力者を作って断る」を実践しましょう。
最後に
本来であれば、リーズナブルなので気軽に行けて、場の空気を盛り上げるのに最適な場所と考えられているカラオケですが、苦手な人にとってはあまり良い場所ではありませんよね。
歌うことが楽しいと思っている人には、歌うことが苦手だったり、カラオケという場にいるだけでも苦痛に感じる人の気持ちにはなかなか共感できない部分もあるかと思います。
ただ、相手が嫌がる素振りを見せていたり、しっかりと断りを入れているにも関わらず、歌うことを過剰に勧めてしまうとお互いに空気が悪くなる可能性があるので、無理強いはしないように心がけることが重要です。