時短ハラスメントとは?意味と事例、対策とは?働き方改革について

ハラスメントの種類と解決策
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近年、長時間労働による過労死などの健康被害がニュースや新聞などで多く取り上げられるようになったことを踏まえ、労働時間の改善を図るための対策を行う企業が増えてきました。

しかし、その一方で、労働時間を減らすように呼びかけるだけで、残業代の出ない残業を余儀なくされる等の労働時間の短縮に関する嫌がらせを指す時短ハラスメントが問題視されるようになりました。

 

今回は、昨年大きな話題となった「働き方改革」について触れながら、時短ハラスメントの背景や原因、解決策について解説します。

 

 

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「働き方改革」とは

 

「働き方改革」が課題となった理由

 

少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少

「働き方改革」が重要視されている背景として、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少による労働力不足が深刻な問題となっています。

内閣府が発表している日本の将来人口推計によると、2013年には1億2730万人であるのに対して、現状のペースでの減少率では、100年余り経った2110年には4286万人まで人口が減少すると考えられています。

生産人口が減少すれば、その分、労働力人口も減少することが容易に予想されるため、国全体の生産力や労働力の低下を深刻に捉えた内閣が本格的に「働き方改革」に乗り出したという背景があります。

 

育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化

上記に挙げた生産年齢人口、労働力の減少を受けて、労働力不足を解消しようと下記の3つの対応策が考えられました。

  • 働き手を増やす
  • 出生率の上昇
  • 労働生産性の向上

これらの3つの対応策を実現するためには、育児や介護などで働いていない人が働きやすい労働環境や体制を整えることで働き手を増やすこと、労働者が効率良く働くことができるように対応することが課題となっています。

 

 

企業で実施されている「働き方改革」の例

 

上記に挙げた背景を受けて、厚生労働省では、「働き方改革」のヒントとして、企業で実施されている対応をご紹介します。

有給休暇への対応【施行:2019年4月1日~】

使用者は、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者について、毎年5日、年次有給休暇を確実に取得させる必要があります。

(具体的な取り組み例)

  • 有給休暇の取得状況を可視化
  • 時間単位年次有給休暇制度の導入
  • 有給休暇に対する労働者の意識改善研修の実施
  • 有給休暇の取得目標日数や取得予定日の事前設定

 

長時間労働是正への対応【施行:2019年4月1日~】

時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定する必要があります。

(具体的な取り組み例)

  • 休日増・残業減を目指した労働環境の改善
  • 時間外労働削減のための従業員参加型の会議の実施
  • ITを活用し、労働時間や負担の軽減
  • 所定外労働時間短縮のための「ノー残業デー」の設置

※中小企業の施行は2020年4月1日~です。

 

 

これから実施するように義務付けられる対応

 

同一労働同一賃金への対応【施行:2020年4月1日~】

同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)との間で、基本給や賞与などの個々の待遇について不合理な待遇差が禁止されます。

正規雇用労働者と非正規雇用労働者との待遇差が、働き方や役割の違いとは不合理であると判断される場合、待遇差の改善に向けて取り組みを進める必要があります。

※中小企業におけるパートタイム・有期雇用労働法の適用は2021年4月1日~です。

 

 

時短ハラスメントが起こる原因

時短ハラスメントが起こる理由として、下記が挙げられます。

  • 会社が具体的な取り組み内容を考えていない
  • 経営層、管理職が部下に具体的な施策を考えるよう丸投げしている
  • 労働時間を減らすことだけに着目し、労働体制や環境の改善まで手が回っていない

上記で挙げた「働き方改革」を実施し、成功している企業も数多く存在しますが、一方では全く中身がなく、「働き方改革」という言葉だけが右往左往している企業も少なくありません。

経営層から具体的な取り組み内容を伝えられずに、頭ごなしに「労働時間を減らせ!管理職なら部下のマネジメントはできて当然だろ!」と管理職に圧をかけられ、プレッシャーを与えられたことにより、とりあえず労働時間だけを減らして定時で帰らせ、労働時間に終わらず残ってしまった仕事は、それぞれ持ち帰って期限までに間に合わせるように強要するなどの対応につながります。

 

このように、上層部の人間が下層部の人間に圧をかけて丸投げする行為は、パワハラにも該当します。

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本来であれば、育児や介護などで働きたくても働けない人に向けた労働時間の短縮と労働環境の改善を目的として行われる「働き方改革」のはずなのに、これでは無理矢理に労働時間を短くしただけで、仕事量には何の変化もなく、さらには支払われるべきだった残業代も支払われない状況になり、従来よりも悪い方へ変わってしまう可能性もあります。

 

 

時短ハラスメントをなくすには

「働き方改革」という言葉だけに踊らされ、無理に労働時間を減らし、時間内に仕事を終わらせるように強要したり、仕事が終わっていないのに退社を命じて持ち帰り残業を余儀なくするような形だけの労働時間の短縮は、根絶されるべきです。

時短ハラスメントをなくすためには、「働き方改革」が何を目的として行われているものであるのかを、まずは会社側が、そして経営層、管理職がしっかりと理解することが重要です。

それを踏まえた上で、労働時間を短縮するためにはどうすれば良いのか、労働量を減らしても必要な業務をこなしていくには、労働体制や労働環境をどのように整えるべきかを話し合い、労働者全員が気持ちよく働ける会社にすることこそが、「働き方改革」であることを念頭に置いて、行動することが重要です。

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