鹿児島市の公立小学校の50代の男性校長が、20代の男性教諭に不適切な指導を行ったとして、市教育委員会から改善を求める指導を受けていたことがわかりました。男性教諭はすでに退職しています。
校長によりますと、男性教諭は20代で、今年4月に別の小学校から赴任しました。
校長は「授業のやり方などに改善の必要があると感じ、繰り返し指導を行った」「指導を繰り返す中で口調が厳しくなっていった」としていて、6月には、男性教諭から「自分のことを育てたいのかいじめたいのかわからない」と直接、訴えられていました。
8月下旬に男性教諭は退職し、その後の市教育委員会からの聞き取りに対し、校長からパワハラ行為があったと訴えたということです。
市教育委員会は校長に対し、教職員1人1人に適切な指導をするよう口頭で指導しました。
校長はMBCの取材に対し、「他の教員にも同じように指導を行っていた。育てたいという一心で、いじめる気持ちはなかった。今後、改めるべきところは改め個々に応じた指導をしていきたい」と話しています。
MBC南日本放送 | 鹿児島
またまた鹿児島です。


そして、学校でのパワハラということですが、神戸市東須磨小学校での事件とはレベルが違うのではないでしょうか。もちろん、当事者にとっては、とても大きなことです。退職までしてしまっているので。

指導とパワハラの違いは?
パワハラについては、こちらに詳しく記載しております。

今回重要なのは、厚生労働省において、職場でのパワハラの定義ではないでしょうか。
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為をいう。上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれる」
(職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ 2012年)
校長の言い分としては、「授業のやり方などに改善の必要があると感じ、繰り返し指導を行った」「指導を繰り返す中で口調が厳しくなっていった」とのことです。
それに対し、男性教師は、「自分のことを育てたいのかいじめたいのかわからない」と感じたとのことです。
つまり、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為があったのかどうかが、パワハラの争点になりますね。
具体的には、
・抽象的または、感覚的な指示をしないこと
・注意や指導されている理由がわからないような内容
・相手が我慢できるであろう限度を超えた長時間や高頻度の叱責
これらに注意し、相手の成長を願っての行為であるか否かが分かれ道ではないでしょうか。
鹿児島市の小学校はどこ?校長はだれ?特定は?
鹿児島市の小学校としか報道されていませんので、残念ながらどこの学校なのかはわかりません。
鹿児島市内には78の公立小学校があるようなので、特定は難しいでしょう。
また、校長の氏名や顔画像などももちろん特定されていません。
ネット上では、テレビニュースでのモザイクのかかった、小学校の外観の画像から、小学校を特定したと言われています。そのため、該当小学校の校長の氏名及び顔画像を掲載しているところもあります。真偽のほどはいかがなものでしょうか。また、許されるべき行為ではありませんが、犯罪者ではありませんし、無関係かもしれないので、安易に掲載・拡散するべきではないでしょう。
それにしても、モザイクのかかった小学校の外観から、グーグルマップと照らし合わせて、小学校を特定するのは、FBI捜査官顔負けの凄腕です。
瞳に映る風景から、アイドルの自宅を特定したストーカー並みのレベルです。
ネット社会の怖さですね。
ちなみに過去には、別の鹿児島の中学校の校長がパワハラによって、女性教師を自殺に追い込んでいます。

最後に
学校という狭いコミュニティでは、指導という名のパワハラも行われやすいのかもしれません。
今回の件では、被害にあった男性教員は退職してしまっています。
また、校長は、「他の教員にも同じように指導を行っていた。育てたいという一心で、いじめる気持ちはなかった。今後、改めるべきところは改め個々に応じた指導をしていきたい」と話しているとのことなので、今後の改善につながれば良いという一方、指導のつもりで、他の教員にも同じように指導を行っていたというのが気になるところです。
そういうタイプの校長だったのか、そういう風土の学校なのかなど、根本をたどる必要があるのかもしれませんね。